2014年

5月

25日

モーツァルトを聴いて育てたからといって認知発達が促進されるわけではない

 

ハーバード大学の心理学者サミュエル・ムフ氏らの研究チームが、音楽のレッスンが子どもに与える影響について調べた過去の研究をあらためて精査したところ、「楽器を習うなど、音楽のレッスンを受けていると、子どもの認知発達が促進され、知能が大幅に向上する」との考え方を裏付ける証拠は見当たらなかった。

 

さらに同研究チームが就学前(4歳)の子ども29人を2つのグループに分け、一方には音楽のクラス、もう一方には美術のクラスを受講してもらい、6週間後に認知テスト、語彙テスト、算数のテスト、空間認識テストを行ったところ、2つのグループの成績に顕著な違いは出ていないことが判明した。

 

また、45人の4歳児を音楽のクラスを受講するグループと、何も受講しないグループに分け、同じテストを行ったところ、きめ細かな統計解析を行っても、やはり両者の成績に有意差は認められなかったそうだ。

 

もちろん、だからといって子どもにとって音楽教育が無駄ということではない。主任研究者のメフ氏は「太古の昔から音楽は人間独自の活動でした。4万年前のものと思われる“骨フルート”が発掘されていますし、歌はそれよりもずっと前から存在していたと考えられます。音楽が存在しない文化は世界中にひとつもありません。音楽は人間にとって何らかの意味があり、それを子どもたちに教えないのはとてもばかげています」と述べている。

 

出典元:Two Randomized Trials Provide No Consistent Evidence for Nonmusical Cognitive Benefits of Brief Pres - PLOS ONE(12/11)

 

2014年

5月

25日

10代のころのうつ状態が将来にも影をおとす可能性あり

 

カナダ、アルバータ大学のマシュー・ジョンソン准教授は、当時18歳~25歳だった男女341人を25年間追跡調査した。その結果10代の頃ネガティブな感情を抱いていた人は、その後の夫婦関係にも影響を及ぼすことがわかった。

 

尚被験者には32歳の時、その時のストレスレベルを尋ね、43歳でパートナーとの関係について尋ねた。

 

若い頃に感じた精神的な苦痛の影響が中年になっても及ぶケースがあり、同氏は「遠い過去の感情が結婚や子育て、仕事をも左右するとは驚き」と述べている。 

 

中年になっても尾を引くのは、10代の頃に感じたうつと怒りの感情。

 

「今の男女関係はそれ以前からの生き方の延長線上にある」と准教授。「現在の自分自身、またはパートナーの態度や行い云々ではなく、それ以前の物語を探る必要があるかも」と。

 

高校時代の思い出は思い出のまま、今更ほじくり返す必要がないのが一番だが、うつや怒りの感情は思っている以上にくすぶり続けている可能性がある。

 

もし夫婦関係や子育てなど現在の生活に問題があるのなら、10代の頃のメンタルヘルスを振り返ることで、解決の糸口が見つかるかもしれないという。

 

出典元:Depression and anger across 25 years: Changing vulnerabilities in the VSA model - Journal of Family Psychology

 

2014年

5月

25日

いじめを受けた人は50歳を過ぎても引きずる

 

英国のキングスカレッジの研究者らが7771人を対象に50歳まで追跡調査を行った。

 

それによると、28%の人が711歳時に時々、15%が恒常的にいじめを受けていて、そうした人は40年たってもなおトラウマに苦しんでいることがわかった。

 

また、いじめを受けた人は大人になってから健康面で問題がある人が少なくなく、うつや不安障害、自殺願望を抱えている人が多かった。さらに、学歴が低く、無職だったり、収入が少なかったりする傾向も認められた。研究を主導したLouise Arseneault教授は「教師や親は、学校での経験がその子の後の人生に大きな影響を与えるということを認識すべき」と話す。

さらに「いじめを防止するのはもちろん大変重要だが、思春期や大人になってもトラウマを引きずることがないように取り組む必要がある」と指摘する。

出典元:Adult Health Outcomes of Childhood Bullying Victimization - The American Journal of Psychiatry(4/18)

2014年

3月

01日

父親の年齢と子どもの精神障害のリスク

父親が高齢になってから作った子どもは、若い時に作った子どもに比べて、精神障害を持って生まれてくるリスクが大幅に高いことが、最近の研究から明らかになった。この研究結果は、米国医師会の精神医学専門誌の26日号に掲載された。

この研究によると、例えば、父親が45歳の時に作った子どもは、20~24歳の父親が作った子どもに比べ、自閉症スペクトラム障害を患う可能性が3倍、注意欠陥・多動性障害(ADHD)を患う可能性が13倍、双極性障害を患う可能性が24倍それぞれ高かったという。

この調査では、1973年から2001年の間にスウェーデンで生まれた260万人の子どものデータを分析した。

同研究の立案者である米インディアナ大学心理学・脳科学部のブライアン・ディオノフリオ准教授は、「男性が年を取るに従い、精液は複製を続け、DNAの塩基対に突然変異が生じる可能性が高まるというのが作業仮説だ」と述べ、「これらの遺伝子変異が精神医学上の問題と関係している」と付け加えた。

この種の研究の大半は、単に若い父親から生まれた子どもと高齢の父親から生まれた子どもを比較する方法で行われるが、ディオノフリオ准教授は、若い父親は高齢の父親に比べ個人差が大きく、この方法では「リンゴとオレンジを比べるようなもの」で信頼性は低いという。そこでディオノフリオ准教授のチームは、兄弟姉妹、つまり父親が若い時に作った子どもとその後年を重ねてから作った子どもの調査結果に着目した。

ディオノフリオ氏は、「それにより、父親の年齢が出産に与える影響をより正確に把握できた」としている。

出典:CNN

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